自律神経機能測定システム

自律神経とは

自律神経は、人間の神経系の一部で、全ての内部臓器及び体系(心臓・肺・腎臓・腸・分泌線等)を随意的にコントロールしています。
自律神経には、他の神経系統と同様に中枢に向かう求心性の神経路(中枢神経(脳幹の中の核))と中枢から全身に向かう遠心性の神経路(末梢神経(求心性および遠心性線維と末梢神経節))があり全ての体内器官につながっています。
人間の身体の約90%は自律神経系によってコントロールされています。知覚・運動神経と違って、私たちの意思とは関係なく独立して働いているので、内臓や血管を私たちの意思で自由に動かす事は出来ません。
反対に、意識しなくても呼吸をしたり、食べたものを消化するため胃を動かしたり、体温を維持するため汗をかいたりするのは、自律神経があるからです。

自律神経は交感神経(起きている時の神経・緊張している時の神経)と副交感神経(寝ている時の神経・リラックスしている時の神経)から成り、互いに反発し合いながら機能し、生理的機能の優れた調節メカニズムとなります。

交感神経は、心臓を含むほとんど全ての体内器官に対しそれらの機能を刺激します。交感神経による刺激が増加すると心拍数、拍出量、体血管収縮等々は増加します。これとは対照的に、副交感神経はこれら体内器官の機能を抑制します。
副交感神経による刺激が増加すると、心拍数、拍出量、体血管収縮等々は減少します。

子供が眠くなると、手が温くなるのは、交感神経優位から副交感神経優位へ切り替わるからです。交感神経は脊髄の胸腰部側角から出て、脊髄の前側の通り道である前根を経て、脊髄の両わきにある交感神経幹に入ります。その後は、各臓器など全身に分布し、情報を伝えます。
ニューロン(神経細胞)が集まって塊状をなしている部分は神経節と呼ばれ、それぞれの神経領域の臓器や血管の働きや分泌の調整を制御する役割を果たしています。

また、呼吸・血液循環・消化吸収・排泄・生殖・内分泌などのシステムを調整し、生命維持に必要な体内循環を整えるのが自律神経の役割でもあります。

自律神経は相反する働きをする交感神経系と副交感神経系から成り立っており、互いに拮抗し合いながら機能し、身体全体を調節しています。

交感神経・副交感神経の働き

■交感神経 – 活動・緊張・ストレスの神経(おもに昼間の活動中)
交感神経が働くのは、昼間活動している時や不安・恐怖・怒りなどのストレスを感じている時です。
交感神経が活発になると、血管が収縮し、心拍数が増え筋肉が緊張して状況の変化にすばやく対応できるように身体が準備をします。

■副交感神経 – 休息・修復・リラックスしている時(おもに夜間の睡眠中)
副交感神経が働くのは、睡眠中、リラックスしている時、ゆったりと落ち着いている時です。
副交感神経が活発になると、血管が拡張し、心拍数は少なく筋肉もゆるんで、昼間の活動での疲労回復、身体の修復を行います。
昼間の活動で疲れたり故障した体を、夜間の睡眠で休息させ故障を修復して、元の元気な状態に戻す。相反する2つの神経がバランスよく働くことで、いつも健康でいられるようになっています。

自律神経がみだれる原因

精神的ストレス

人間関係等日常の生活における悩みや不安による精神的なストレスや、過労や病気等の身体的なストレスが自律神経の乱れの原因になることがあります。ストレスが過剰になると、交感神経と副交感神経のバランスが乱れます。

不規則な生活

一定の生体リズムに従って体の機能が働いています。寝不足や不規則な食生活等を繰り返すことで、生体リズムがくるって自律神経のバランスが乱れる原因になります。

病気

自律神経の乱れを引き起こす病気として、自律神経失調症や更年期障害があります。自律神経失調症は、精神的身体的ストレスが引き金となって自律神経が乱れることで症状が見られるようになり、より自律神経の乱れにつながるという悪循環な状態になります。

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